(セルの書式、位置、内容についての情報を返します)
CELL(検査の種類, 対象範囲)検査の種類 必要なセル情報の種類を、半角のダブル クォーテーション (")で囲まれた文字列として指定します。次に、検査の種類 として指定できる文字列と、それを指定したときの結果を示します。
検査の種類 結果
"address" 対象範囲 の左上隅にあるセルの参照を表す文字列。 "col" 対象範囲 の左上隅にあるセルの列番号。 "color" 負の数を色で表す書式がセルに設定されていれば 1、そうでなければ 0(ゼロ)。 "contents" 対象範囲 の左上隅にあるセル内容。 "filename" 対象範囲 を含むファイルの名前 (絶対パス名) を表す文字列。
対象範囲 を含むファイルがまだ保存されていない場合、結果は空白文字列 ("") になります。"format"
セルの表示形式に対応する文字列定数。それぞれの表示形式に対する文字列定数は、後述の一覧表に示します。
負の数を色で表す書式がセルに設定されている場合、結果の文字列定数の末尾に "-" が付きます。
正の数またはすべての値をかっこで囲む書式がセルに設定されている場合、結果の文字列定数の末尾に "()"が付きます。"parentheses" 正の数またはすべての値をかっこで囲む書式がセルに設定されていれば 1、そうでなければ 0。 "prefix" セルに入力されている文字列の配置に対応する文字列定数。セルが左詰めの文字列を含むときはクォーテーション (')、右詰めの文字列を含むときはダブル クォーテーション (")、中央配置の文字列を含むときはキャレット (^)、繰り返し配置の文字列を含むときは円記号 (\)、均等配置の文字列を含むときはクォーテーション (')、また、セルに文字列以外のデータが入力されているとき、またはセルが空白であるときは空白文字列 ("") になります。 "protect" セルがロックされていなければ 0、ロックされていれば 1。 "row" 対象範囲 の左上隅にあるセルの行番号。 "type" セルに含まれるデータのタイプに対応する文字列定数。セルが空白であるときは "b" (Blank の頭文字)、セルに文字列定数が入力されているときは "l" (Label の頭文字)、その他の値が入力されているときは "v" (Value の頭文字) になります。 "width" 小数点以下を切り捨てた整数のセル幅。セル幅の単位は、標準のフォント サイズの 1 文字の幅と等しくなります。
(引数リストの各項目に含まれる数値の個数の合計を返します)書式 =COUNT(値1, 値2, ...)引数リストの各項目には、数値、名前、配列、またはセル参照を指定できます。
項目にセル参照を指定すると、その範囲内で数値が入力されているセルの個数を調べることができます。
値1, 値2, ... 任意のデータ型を使用し、任意の値、あるいは値を含む名前、配列、またはセル参照を指定します。
引数は 1 ? 30 個まで指定できます。ただし、計算の対象となるのは数値だけです。
COUNT 関数では、数値、Null (値がないこと)、論理値、日付、数値を表す文字列が計算の対象となります。使用例
エラー値、数値に変換できない文字列は無視されます。引数が配列またはセル参照である場合は、その中に含まれる数値だけが計算の対象となり、空白セル、論理値、文字列、エラー値は無視されます。
論理値、文字列、またはエラー値の個数を調べるには、COUNTA 関数を使用します。
次に例を示します。
A 1 売上高 2 1997/2/8 3 4 19 5 22.24 6 TRUE 7 #DIV/0!
COUNT(A1:A7) = 3↑情報関数の先頭へ
COUNT(A4:A7) = 2
COUNT(A1:A7, 2) = 4
(引数リストの各項目に含まれるデータの個数の合計を返します)書式 =COUNTA(値1, 値2, ...)引数リストの各項目には、値、名前、配列、またはセル参照を指定できます。
項目にセル参照を指定すると、その範囲内でデータが入力されているセルの個数を調べることができます。
ただし、セル参照に空白セルが含まれる場合は、その空白セルは個数には数えられません。
値1, 値2, ... 値、あるいは値を含む名前、配列、またはセル参照を指定します。使用例
引数は 1 ? 30 個まで指定できます。COUNTA 関数では、空白文字列 ("") を含め、すべてのデータ型の値が計算の対象となります。ただし、空白セルだけは計算の対象となりません。
また、引数が配列またはセル参照である場合、その中に含まれる空白セルは無視されます。
論理値、文字列、またはエラー値を計算する必要がない場合は、COUNT 関数を使用します。
次に例を示します。
A 1 売上高 2 1997/2/8 3 4 19 5 22.24 6 TRUE 7 #DIV/0!
COUNTA(A1:A7) = 6↑情報関数の先頭へ
COUNTA(A4:A7) = 4
COUNTA(A1:A7, 2) = 7
COUNTA(A1:A7, "二") = 7
(指定された範囲に含まれる空白セルの個数を返します。)書式 =COUNTBLANK(範囲)
範囲 空白セルの個数を求めるセル範囲を指定します。
解説
空白文字列 ("") を返す数式が入力されているセルも計算の対象となります。使用例
ただし、数値の 0 を含むセルは計算の対象となりません。
A B C D 1 2 6 3 27 4 4 3 4 5 4 0 6
次の例は、上のワークシートのセル B3 に次の数式が入力されている場合です↑情報関数の先頭へ
IF(C3<30,"",C3) = "" (空白文字列)
COUNTBLANK(B2:C5) = 2
(エラーの種類に対応する数値を返します。)書式 =ERROR.TYPE(エラー値)
エラー値?? 評価するエラー値を指定します。使用例
エラー値 には、実際のエラー値を指定することもできますが、通常はテストする数式を含むセルの参照を指定します。
エラー値と戻り値との対応は、次の表を参考にしてください。
エラー値 ERROR.TYPE 関数の戻り値
##N/A 1 #DIV/0! 2 #VALUE! 3 #REF! 4 #NAME? 5 #NUM! 6 NULL! 7 その他 #N/A
次の数式では、セル E50 にエラー値 #NULL! または #DIV/0! が含まれているかどうかを調べます。↑情報関数の先頭へ
エラー値が含まれている場合は、その値を CHOOSE ワークシート関数が評価して 2 つのメッセージのどちらかを表示します。
エラー値が含まれていない場合は、#N/A を返します。
IF(ERROR.TYPE(E50)<3,CHOOSE(ERROR.TYPE(E50),"範囲の共通部分がありません。","除数がゼロです。"))
(現在の操作環境についての情報を返します)書式 =INFO(検査の種類)
検査の種類?? 返される情報の種類を文字列で指定します。使用例
検査の種類 として指定する文字列は、必ず半角のダブル クォーテーション (")で囲みます。
検査の種類 返される情報
"directory" カレント ディレクトリまたはカレント フォルダのパス名 "memavail" 使用可能なメモリ容量 (単位 : バイト) "memused" データを一時的に保存するために使用されているメモリ容量 (単位 : バイト) "numfile" 開かれているワークシートの枚数 "origin" Lotus 1-2-3 リリース 3.x との互換性を維持するための、"$A:" で始まる A1 形式の絶対参照。
現在ウィンドウに表示されている範囲の左上隅のセル参照が返される。"osversion" 現在使用されているオペレーティング システムのバージョン "recalc" 現在設定されている再計算のモード ("自動"、"手動"のいずれか) "release" Excel のバージョン "system" 操作環境の名前 (Windows 版 Excel では "pcdos"、Macintosh 版 Excel では "mac") "totmem" 既に使用されている総メモリ容量 (単位 : バイト)
この関数はワークシートの中でも使用できますが、マクロ シートの中で使うと、マクロの実行に必要な情報を得るのに役立ちます。↑情報関数の先頭へ
現在 2 つのワークシートが開かれているとき、次のマクロ数式は数値の 2 を返します。
INFO("numfile")
(テストの対象 が空白セルを参照するとき TRUE を返します。)書式 =ISBLANK(テストの対象)
(テストの対象 が #N/A を除くエラー値を参照するとき TRUE を返します。)書式 =ISERR(テストの対象)
(テストの対象 が任意のエラー値 (#N/A、#VALUE!、#REF!、#DIV/0!、#NUM!、#NAME? または #NULL! のいずれか) を参照するとき TRUE を返します。)書式 =ISERROR(テストの対象)
(テストの対象 が論理値を参照するとき TRUE を返します。)書式 =ISLOGICAL(テストの対象)
(テストの対象 がエラー値 #N/A (使用する値がない) を参照するとき TRUE を返します。)書式 =ISNA(テストの対象)
(テストの対象 が文字列でない項目を参照するとき TRUE を返します (テストの対象 が空白セルを参照するときも TRUE になりますので注意してください)。)書式 =ISNONTEXT(テストの対象)
(テストの対象 が数値を参照するとき TRUE を返します。)書式 =ISNUMBER(テストの対象)
(テストの対象 がセル範囲を参照するとき TRUE を返します。)書式 =ISREF(テストの対象)
(テストの対象 が文字列を参照するとき TRUE を返します。)書式 =ISTEXT(テストの対象)
テストの対象 テストするデータを指定します。解説
引数には、空白セル、エラー値、論理値、文字列、数値、セル参照、または対象となるデータを参照する名前を指定することができます。
IS 関数に対する引数は自動的に変換されません。
ほとんどの場合、数値を必要とする関数の引数に "19" という文字列を指定すると、自動的に 19 という数値に変換されて計算が行われます。
ただし、ISNUMBER("19") という数式では、文字列の "19" は数値に変換されず、論理値 FALSE が返されます。
IS 関数は、数式で計算結果を調べるために役立ちます。
特に、IF 関数と組み合わせることにより、数式内でエラーの位置を調べるために利用できます (次の使用例を参照してください)。使用例
ISLOGICAL(TRUE) = TRUE
ISLOGICAL("TRUE") = FALSE
ISNUMBER(4) = TRUE
A B C 1 "Gold" 2 "Region1" 3 #REF! 4 $330.92 5 #N/A
ISBLANK(C1) = FALSE↑情報関数の先頭へ
ISERROR(C3) = TRUE
ISNA(C3) = FALSE
ISNA(C5) = TRUE
ISERR(C5) = FALSE
ISNUMBER(C4) = TRUE (330.92 が文字列ではなく、数値として入力されている場合)
ISREF(Region1) = TRUE (Region1 が範囲名として定義されている場合)
ISTEXT(C2) = TRUE (Region1 が文字列として入力されている場合)
ワークシートで、セル範囲 A1:A4 の平均を計算する場合を考えます。
このセル範囲に数値が入力されているかどうか確認されていません。
セル範囲 A1:A4 にまったく数値が入力されていない場合、AVERAGE(A1:A4) の計算結果はエラー値 #DIV/0! になってしまいます。
このような場合は、次の数式を使って、潜在的なエラーを前もって回避することができます。
IF(ISERROR(AVERAGE(A1:A4)),"数値が入力されていません!",AVERAGE(A1:A4))
(数値が奇数のときに TRUE を返します)
この関数を使うには、セットアップ プログラムを実行して分析ツールを組み込み、[ツール] メニューの [アドイン] コマンドを使ってその分析ツールを登録する必要があります。
[ツール] メニューに [分析ツール] コマンドが表示されない場合は、、Excel に分析ツール アドインを組み込む必要があります。
分析ツールを組み込むには
1. [ツール] メニューの [アドイン] をクリックします。
分析ツールが [アドイン] ダイアログ ボックスの [アドイン] ボックスに表示されない場合は、[参照] をクリックし、分析ツール アドインが保存されているドライブとフォルダ、およびアドインのファイル名 (Analys32.xll) を指定します。Analys32.xll は、通常、Office または Excel をセットアップしたフォルダの \Library\Analysis にあります。
分析ツール アドインが組み込まれていない場合は、Excel のセットアップ プログラムをもう一度実行します。
2. [分析ツール] チェック ボックスをオンにします。
書式 =ISODD(数値)
数値 評価する数値を指定します。数値 に整数以外の値を指定すると、小数点以下が切り捨てられます。解説
数値 に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返されます。
使用例↑情報関数の先頭へ
ISODD(-1) = TRUE
ISODD(2.5) = FALSE
ISODD(5) = TRUE
(数値が偶数のときに TRUE を返します)
この関数を使うには、セットアップ プログラムを実行して分析ツールを組み込み、[ツール] メニューの [アドイン] コマンドを使ってその分析ツールを登録する必要があります。書式 =ISEVEN(数値)
[ツール] メニューに [分析ツール] コマンドが表示されない場合は、、Excel に分析ツール アドインを組み込む必要があります。
分析ツールを組み込むには
1. [ツール] メニューの [アドイン] をクリックします。
分析ツールが [アドイン] ダイアログ ボックスの [アドイン] ボックスに表示されない場合は、[参照] をクリックし、分析ツール アドインが保存されているドライブとフォルダ、およびアドインのファイル名 (Analys32.xll) を指定します。Analys32.xll は、通常、Office または Excel をセットアップしたフォルダの \Library\Analysis にあります。
分析ツール アドインが組み込まれていない場合は、Excel のセットアップ プログラムをもう一度実行します。
2. [分析ツール] チェック ボックスをオンにします。
数値 評価する数値を指定します。数値 に整数以外の値を指定すると、小数点以下が切り捨てられます。解説
数値 に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返されます。
使用例↑情報関数の先頭へ
ISEVEN(-1) = FALSE
ISEVEN(2.5) = TRTUE
ISEVEN(5) = FALSE
(1 組のデータの中で 順位 番目に大きなデータを返します)LARGE 関数を利用すると、相対的な順位に基づいて、データの中から特定の値を選択することができます。
たとえば、LARGE 関数を使って、テストの最高点、第 2 位または第 3 位の得点などを調べることができます。
書式 =LARGE(範囲, 順位)
範囲抽出の対象となるデータが入力されているセル範囲または配列を指定します。順位
解説抽出する値の順位 (大きい方から数えた) を数値で指定します。
範囲 にデータが含まれていないと、エラー値 #NUM! が返されます。使用例順位 0 である場合、または 順位 が対象となるデータの個数よりも大きい場合、エラー値 #NUM! が返されます。
n を 範囲 に含まれているデータの個数とするとき、LARGE(範囲,1) は対象となるデータの最大値を返します。
また、LARGE(範囲,n) は対象となるデータの最小値を返します。
LARGE({3,4,5,2,3,4,5,6,4,7},3) = 5↑情報関数の先頭へ
LARGE({3,4,5,2,3,4,5,6,4,7},7) = 4
(引数リストに含まれる最大の数値を返します)書式 =MAX(数値1, 数値2, ...)
数値1, 数値2, ... 最大の数値を見つけるため、1 ? 30 個までの数値を指定することができます。使用例引数には、数値、空白セル、論理値、または数値を表す文字列を指定することができます。
エラー値または数値に変換できない文字列を指定すると、エラーになります。引数に配列またはセル範囲の参照を指定した場合、その中に含まれる数値だけが計算の対象となります。
配列やセル範囲に含まれる空白セル、論理値、または文字列はすべて無視されます。
論理値、および文字列を処理する場合は、MAXA 関数を使用してください。引数の中に数値が含まれていない場合、MAX 関数の計算結果は 0(ゼロ) となります。
↑情報関数の先頭へMAX(A1:A5) = 27
A 1 10 2 7 3 9 4 27 5 2
MAX(A1:A5,30) = 30
(引数リストに含まれる最大の数値を返します)文字列や、TRUE、FALSE などの論理値も数値と同じように比較の対象になります。
MAXA 関数は MINA 関数とよく似た関数です。
詳細については、MINA 関数の使用例を参照してください。
書式 =MAXA(数値1, 数値2,...)
数値1, 数値2,...解説最大の値を見つけるため、1 ? 30 個までの数値を指定します。
引数には、数値、空白セル、論理値、または数値を表す文字列を指定することができます。使用例
エラー値を指定すると、エラーになります。計算の対象に文字列または論理値を含めない場合は、MAX ワークシート関数を使用してください。引数に配列またはセル範囲の参照を指定した場合、そこに含まれる数値だけが計算の対象となります。
配列またはセル範囲の参照に含まれる空白セルと文字列は無視されます。引数に TRUE が含まれている場合は 1 と見なされ、文字列または FALSE が含まれている場合は 0 (ゼロ) と見なされます。
引数の中に数値が含まれていない場合、MAXA 関数の計算結果は 0 (ゼロ) となります。
↑情報関数の先頭へMAXA(A1:A5) = 27
A 1 10 2 7 3 9 4 27 5 2
MAXA(A1:A5,30) = 30
MAXA(A1:A5) = 1
A 1 0 2 0.2 3 0.5 4 0.4 5 TRUE
(引数リストに含まれる最小の数値を返します)書式 =MIN(数値1, 数値2, ...)
数値1,数値2,...使用例最小の数値を見つけるため、1 ? 30 個までの数値を指定することができます。引数には、数値、空白セル、論理値、または数値を表す文字列を指定することができます。
エラー値または数値に変換できない文字を指定するとエラーになります。引数として、配列やセル範囲の参照を指定した場合、その中に含まれる数値だけが計算の対象になります。
配列やセル範囲に含まれる空白セル、論理値、または文字列はすべて無視されます。
論理値や文字列を処理する場合は、MINA 関数を使用してください。引数の中に数値が含まれていない場合、MIN 関数の計算結果は 0 となります。
↑情報関数の先頭へMIN(A1:A5) = 2
A 1 10 2 7 3 9 4 27 5 2
MIN(A1:A5,0) = 0MAX 関数は MIN 関数とよく似た関数です。MAX 関数の使用例も参照してください。
(引数リストに含まれる最小の数値を返します)書式 =MINA(数値1, 数値2,...)文字列や、TRUE、FALSE などの論理値も数値と同じように比較の対象になります。
数値1, 数値2,...使用例最小値を見つけるため、1 ? 30 個までの数値を指定します。引数には、数値、空白セル、論理値、または数値を表す文字列を指定することができます。
エラー値を指定すると、エラーになります。計算の対象に文字列または論理値を含めない場合は、MIN ワークシート関数を使用してください。数に配列またはセル範囲の参照を指定した場合、そこに含まれる数値だけが計算の対象となります。
配列またはセル範囲の参照に含まれる空白セルと文字列は無視されます。引数に TRUE が含まれている場合は 1 と見なされ、文字列または FALSE が含まれている場合は 0 (ゼロ) と見なされます。
引数の中に数値が含まれていない場合、MINA 関数の計算結果は 0 (ゼロ) となります。
↑情報関数の先頭へMINA(A1:A5) = 2
A 1 10 2 7 3 9 4 27 5 2
MINA(A1:A5, 0) = 0
MINA(A1:A5) = 0
A 1 FALSE 2 0.2 3 0.5 4 0.4 5 0.8 MINA 関数は、MAXA 関数とよく似た関数です。MAXA 関数の使用例も参照してください。
(引数リストに含まれる数値のメジアン (中央値) を返します)書式 =MEDIAN(数値1, 数値2, ...)メジアンとは、引数リストの数値を小さいものから大きなものに順に並べたとき、その中央にくる数値のことです。
つまり、メジアンより小さな数値と、メジアンより大きな数値の個数が等しくなります。
数値1,数値2,...解説メジアンを計算するため、1 個から 30 個までの数値を指定することができます。引数には、数値、あるいは数値を含む名前、配列、またはセル範囲を指定できます。引数として指定した配列やセル範囲に、文字列、論理値、または空白セルが含まれる場合、これらの値は無視されます。
ただし、値が 0 であるセルは、計算の対象になります。
引数として指定した数値の個数が偶数である場合、中央に位置する 2 つの数値の平均が計算されます。使用例
この場合の例は、2 番目の使用例を参照してください。
MEDIAN(1,2,3,4,5) = 3↑情報関数の先頭へMEDIAN(1,2,3,4,5,6) = 3.5 (3 と 4 の平均値)
(配列またはセル範囲として指定されたデータの中で、最も頻繁に出現する値 (最頻値) を返します)書式 =MODE(数値1, 数値2, ...)MODE 関数は、MEDIAN 関数と共にデータの全体的な傾向を知るための統計的な手段として利用できます。
数値1, 数値2、... 計算の対象となる最大 30 個までの数値を指定できます。解説
また、半角のカンマ (,) で区切られた数値の代わりに、配列またはセル範囲を指定することもできます。
引数には、数値、数値配列、あるいは数値を含む範囲を参照する名前、またはセル参照を指定します。使用例引数として指定した配列やセル範囲に、文字列、論理値、または空白セルが含まれる場合、これらの値は無視されます。
ただし、値が 0 であるセルは、計算の対象となります。対象となるデータに重複する値が含まれていない場合、エラー値 #N/A が返されます。
最頻値とは、値の集合内に最も頻繁に現れる値のことで、中央値とは値の集合内でちょうど中央にある値のことです。
また、平均値とは、各データの値の平均です。これら 3 つの統計値を合わせて評価することによって、データの全体的傾向をより詳細に把握できます。たとえば、テストの点数を集計した結果、対象となるデータが 3 つの点数の範囲に集中している場合を考えてみましょう。
データの約半数が低い点数の範囲に集中し、残りの約半数が 2 つの高い点数の範囲に集中している場合、AVERAGE 関数や MEDIAN 関数の戻り値は、実際のデータが比較的少ない中間の値になることがありますが、MODE 関数の戻り値は実際に最も多かった点数を示すことになります。
MODE({5.6,4,4,3,2,4}) = 4↑情報関数の先頭へ
(値 を数値に変換します)書式 =N(値)
値 変換する値を指定します。N 関数では、次の規則に従って 値 が変換されます。解説
値 戻り値
数値 そのままの数値 Excel の組み込み書式で表示された日付 その日付のシリアル値 TRUE 1 FALSE 0 #DIV/0!などのエラー値 エラー値 その他の値 0
Excel では数式中の値は必要に応じて自動的に変換されるため、N 関数を使用する必要はほとんどありません。使用例
N 関数は、他の表計算アプリケーションとの互換性を維持するために用意されている関数です。
Excel では、日付を計算するために、日付が一連のシリアル値として処理されます。
1900 年から計算する場合は、1900 年 1 月 1 日がシリアル値 1 として保存されます。
1904 年から計算する場合は、1904 年 1 月 1 日がシリアル値 0 (1904 年 1 月 2 日がシリアル値 1) として保存されます。
1998 年 1 月 1 日は 1900 年 1 月 1 日から数えて 35,795 日後になるので、シリアル値 35796 として保存されます。
↑情報関数の先頭へN(A1) = 7
A B C 1 7 2 偶数 3 TRUE
N(B2) = 0 (セル B2 には文字列が入力されているため)
N(C3) = 1 (セル C3 は論理値 TRUE を含むため)
N("7") = 0 ("7" は文字列であるため)
N("1993/4/17") = 0 ("1993/4/17" は文字列であるため)
(エラー値#N/Aを返します)書式 =NA()
解説
関数名と共に必ず空白のかっこ () を指定するようにしてください。空白のかっこを指定しないと関数として処理されません。↑情報関数の先頭へ
エラー値 #N/A を直接セルに入力してもかまいません。NA 関数は、主に他の表計算アプリケーションとの互換性を維持するために用意されている関数です。NA関数は、プレイスホルダとして機能する関数です。
この関数は、空白セルを計算対象から除外するためのマーキングに利用されます。
NA関数が入力されているセルを参照するセルや数式はすべて#N/Aを返します。(一部の関数はエラーの種類として#N/Aを返します。)
ワークシートの数式が特定のセルの値に依存しているものの、そのセルにどんな値を入力すればよいのかがわからない場合など、空白セルのままとしたり、適当な値を入力しておく代わりに、このNA関数をプレイスホルダとして入力します。
この結果、正しい値を入力するまで、NA関数が入力されているセルを参照する数式はエラー値#N/Aを返し続けます。
NA関数の代わりにエラー値#N/Aを直接セルに入力しても、同じ結果が得られます。
(データ型を表す数値を返します)書式 =TYPE(データタイプ)
データタイプ データ型を調べる値を指定します。データタイプ に指定する値と、TYPE 関数の戻り値の関係は次のようになります。
データタイプ 戻り値解説
数
値 1 文字列 2 論理値 4 エラー値 16 配列 64
TYPE 関数は、ARGUMENT 関数、INPUT 関数のように、さまざまなデータ型の値を引数として受け取る関数を使っているとき役立ちます。使用例
TYPE 関数により、関数や数式の戻り値のデータ型を調べることができます。
セルに数式が入力されているかどうかを確認するために TYPE 関数を使用することはできません。
TYPE 関数で調べられるのは、結果として表示される値のデータ型だけです。
値が数式を含むほかのセルを参照する場合、TYPE 関数ではその数式の結果値のデータ型が返されます。
↑情報関数の先頭へTYPE(A1) = TYPE("佐藤") = 2
A 1 佐藤
TYPE(A1&"様") = 2
TYPE(2+A1) = TYPE(#VALUE!) = 16
TYPE({1,2;3,4}) = 64
(順序 に従って 範囲 内の数値を並べ替えたとき、数値 が何番目に位置するかを返します)書式 =RANK(数値, 範囲, 順序)
数値解説範囲 内での順位 (位置) を調べる数値を指定します。範囲数値 を含むセル範囲の参照または名前、または数値配列を指定します。順序
範囲 内に含まれている数値だけが計算の対象となり、そこに含まれている文字列、空白セル、論理値は無視されます。
また、範囲 内にエラー値が含まれていると、そのエラー値が返されます。数値 の順位を決めるため、範囲 内の数値を並べ替える方法を指定します。
順序 に 0 を指定するか、または 順序 を省略すると、範囲 内の数値が ...3、2、1 のように降順に並べ替えられます。
順序 に 0 以外の数値を指定すると、範囲 内の数値が 1、2、3、... のように昇順で並べ替えられます。
RANK 関数では、重複した数値は同じ順位と見なされます。使用例
数値が重複していると、それ以降の数値の順位がずれていきます。
たとえば、整数のリストがあり、そのリストに 10 が 2 度現れ、その順位が 5 であるとき、11 の順位は 7 となります (順位が 6 の数値はありません)。
次の例は、セル範囲 A1:A5 のそれぞれに、数値の 7、3.5、3.5、1、2 が入力されている場合です。↑情報関数の先頭へ
A 1 7 2 3.5 3 3.5 4 1 5 2 RANK(A2,A1:A5,1) = 3
RANK(A1,A1:A5,1) = 5
(1 組のデータの中で 順位 番目に小さなデータを返します)SMALL 関数を利用すると、相対的な順位に基づいて、データの中から特定の値を選択することができます。
書式 =SMALL(範囲, 順位)
範囲解説抽出の対象となるデータが入力されているセル範囲または配列を指定します。順位範囲 で指定したデータから抽出する値の順位 (小さい方から数えた) を数値で指定します。
範囲 にデータが含まれていない場合、エラー値 #NUM! が返されます使用例
順位 0 である場合、または 順位 が対象となるデータの個数よりも大きい場合、エラー値 #NUM! が返されます。
n を 範囲 に含まれているデータの個数とするとき、SMALL(範囲,1) は対象となるデータの中の最小値を返します。
また、SMALL(範囲,n) は対象となるデータの中の最大値を返します。
SMALL({3,4,5,2,3,4,5,6,4,7},4) = 4↑情報関数の先頭へ
SMALL({1,4,8,3,7,12,54,8,23},2) = 3