リストのフィルタ処理とは、指定した条件に一致する行のみを残し、その他の行をすべて非表示にすることをいいます。オートフィルタ
Excelには、2種類のフィルタコマンドが用意されています。
簡単な検索条件を元にフィルタ処理を行う「オートフィルタ」コマンドと、複雑な検索条件を元にフィルタ処理や抽出を行う「フィルタオプションの設定」コマンドです。
オートフィルタを利用するには、最初にリスト中のセルを1つ選び、「データ」「フィルタ」「オートフィルタ」コマンドを選択します。
すると、リストの各列の見出しにオートフィルタ矢印が表示されます。
そして、このリストからアイテムを選択すると、そのアイテムが含まれる行を除くすべての行が非表示になります。
フィルタ処理の条件を指定する列の見出しにだけ、オートフィルタ矢印を表示することも可能です。
特定の列見出しにのみオートフィルタ矢印を表示するのは、「オートフィルタ」コマンドの選択時に、対象となる列のみを選択しておきます。
連続しない複数の列を選択するには、[Ctrl]キーを押しながら列見出しを選択します。下は、「製品名」から「ブルーマウンテン」を選択して実行した場合の例です。
選択後は行番号が連続していないことに注意してください。
「オートフィルタ」あるいは「フィルタオプションの設定」を使って、リストの特定の行(サブセット)のみを表示する場合、条件に一致しないすべての行は非表示になります。
リストをフィルタ処理すると、行番号は他の行番号とは異なる色で表示され、ステータスバーには検索の結果が表示されます。
オートフィルタの条件は、すべての列に対して指定できます。
まず、1つの列に対する条件を指定したら、他の列に移り、その列に対する条件を指定してください。
たとえば、製品が「ブルーマウンテン」の行のみが表示されたリストにおいて、さらに社員名が「青山太郎」の行のみを表示する場合は、「社員名」ドロップダウンリストを表示し、「青山太郎」を選択してください。
オートフィルタを利用して、リストの上位または下位から何番目までのアイテムといった方法でデータをとりだして表示したり、あるいは、特定のパーセンテージ分だけ取り出して表示できます。
対象となる列のオートフィルタ矢印をクリックし、、「トップテン」を選択すると下のような「トップテンオートフィルタ」ダイアログボックスが表示されます。
このダイアログボックスには、3つのコントロールが含まれます。
最初のドロップダウンリストでは、上位から選ぶか、下位から選ぶかを指定します。
2番目のボックスでは、取り出すアイテムの個数を1〜500の範囲内で指定します。
そして、最後のドロップダウンリストでは、項目かパーセントかを指定します。
空白セルを含むデータに関してオートフィルタを実行した場合、オートフィルタのドロップダウンリストの一番下には、「空白セル」と「空白以外のセル」というアイテムが必ず表示されます。
特定のデータが入力されていない行のみ表示するには、フィルタ条件として「空白セル」を選択してください。また、特定の列に何らかのデータ「空白以外」が入力されている行をすべて表示するには、「空白以外のセル」を選択してください。
オートフィルタを利用する場合でも、もう少し複雑な条件を指定することが可能です。
ドロップダウンリストの「オプション」を選択することで、比較条件を指定したり、一定の値の範囲を条件として指定したりできます。
条件指定の対象となる列のドロップダウンリストから「オプション」を選択すると、下のような「オートフィルタオプション」ダイアログボックスが表示されます。
「オートフィルタオプション」ダイアログボックスでは、1つまたは2つの条件を指定でき、比較演算子もすべて利用できます。
ダイアログボックスの右端のドロップダウンリストボックスには演算子の選択肢が用意され、左端のドロップダウンリストではリストに含まれる値を選択できます。
たとえば、上のリストにおいて、金額が81,195円以上、140,000円以下の行をすべて表示するには、列見出し「金額」のドロップダウンリストの「オートフィルタオプション」ダイアログボックスの上段左側のドロップダウンリストボックスから、"\81,195"を選択し(直接81195と入力してもかまいません)、その右側のドロップダウンリストボックスから、「以上」を選択してください。
次に、左下のドロップダウンリストから"\140,000"を選択し、右下のドロップダウンリストから「以下」を選択してください。
上の例では、「AND」オプションボタンが選択されている点に注意してください。
「OR」オプションボタンが選択されると、条件の意味は81,195円以上、または、140,000円以下隣、述べての行が条件に一致してしまいます。
数値の範囲ではなく、特定の文字列の範囲内に含まれるデータを検索するには、「オートフィルタオプション」ダイアログボックスの「抽出条件の指定」グループの2つのテキストボックスに条件を指定し「AND」オプションボタンを選択します。たとえば、「ケ」で始まる製品名が含まれる行をすべて表示するには、「製品名」列のドロップダウンリストから「(オプション..)を選択し、次の条件を指定します。
ケ より大きい
AND
コ より小さい
「オートフィルタオプション」ダイアログボックスでは、2種類のワイルドカード文字が使用できます。・任意の文字列を表すにはアスタリスク(*)を使用する。
・任意の1文字を表すには疑問符(?)を使用する。次の表には、ワイルドカードの指定方法と条件に該当する文字列の例を示します。
ワイルドカードは条件のどの部分にも使用でき、1つの条件の中で複数のワイルドカードを使用することもできます。
エントリ 条件に該当する例 =岡崎*美 岡崎秀美、岡崎雅美 =山??郎 山田太郎、山本一郎、山崎次郎 =佐*子 佐藤ひろ子、佐伯好子、佐久間由紀子
疑問符やアスタリスクそのものを検索対象として指定するには、?や*の前にチルダ( ~ )を付けてください。
特定の列に対して指定したオートフィルタ条件を解除するには、その列のドロップダウンリストを表示し、「(すべて)」を選択してください。
また、非表示になっているリストの行をすべて再表示するには、「データ」「フィルタ」「すべて表示」コマンドを選択してください。
オートフィルタそのものを解除し、オートフィルタ矢印も削除するには、「データ」「フィルタ」「オートフィルタ」コマンドを選択してください。
フィルタ条件に一致する行をワークシートの他の範囲にコピー(抽出)したり、他のワークシートにコピーしたりすることが可能です。戻る
条件に一致して、リストに表示されている行のコピーには、通常のコピーと同様、「編集」「コピー」と「貼り付け」コマンドを使用します。
「コピー」と「貼り付け」コマンドを使用せず、フィルタ処理と行の抽出を同時に行う場合は、「フィルタオプションの設定」コマンドを使用してください。
ただし、「フィルタオブションの設定」コマンドを使っても、条件に一致する行を、自動的に他の新規のワークシートや他の新規ブックにコピーすることはできません。
こうした作業を行うためには、やはり、「コピー」「貼り付け」コマンドを使用しなければなりません。